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【2026年最新】介護・障害福祉サービスの「総量規制」とは?対象サービス・M&Aで参入する選択肢を徹底解説

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この記事の要点
 ・総量規制とは、介護保険法・障害者総合支援法等に基づき、自治体が新規事業所の指定を制限する仕組み
 ・介護分野では「特定施設入居者生活介護」、障害福祉分野では「就労継続支援B型」「児童発達支援」「放課後等デイサービス」「生活介護」などが代表的な対象
 ・大都市圏を中心に総量規制を実施する自治体が増加しており、新規開設が事実上困難なエリアが拡大している
 ・規制エリアへの参入には、既存事業所をM&Aで承継する手法が現実的な選択肢として注目されている

総量規制とは何か

1-1. 総量規制の定義と目的

「総量規制」とは、介護保険サービスや障害福祉サービスにおいて、自治体(都道府県・指定都市・中核市等)が新規事業所の指定や定員増を制限する仕組みを指します。

各自治体が策定する介護保険事業計画や障害福祉計画上の「必要利用定員総数(見込み量)」を、既存事業所の定員合計がすでに上回っている、または上回ることが見込まれる場合、新規指定が認められないというものです。

総量規制の主な目的は次の3点に整理できます。

  1. サービスの適正な量と質の確保 — 供給過剰によるサービス品質の低下を防ぐ
  2. 介護給付費・障害福祉サービス費の適正化 — 社会保障費の急増を抑制する
  3. 地域偏在の是正 — 事業所が都市部に集中する偏りを緩和する

1-2. 根拠法令

総量規制は明確な法的根拠に基づいて実施されています。

分野 根拠法令
介護保険サービス 介護保険法 第70条第4項〜第6項 等
障害福祉サービス 障害者総合支援法 第36条第5項
障害児通所支援 児童福祉法 第21条の5の15第5項

これらの条文により、都道府県知事や指定都市・中核市の市長は、計画上の必要量に達している場合に新規事業所の指定をしないことができると定められています。


介護保険サービスにおける総量規制の対象

2-1. 介護保険法に基づく主な対象サービス

介護保険分野で総量規制の対象となる代表的なサービスは以下の通りです。

  • 特定施設入居者生活介護(介護付き有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅の一部、ケアハウス等)
  • 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
  • 介護老人保健施設
  • 介護医療院
  • 地域密着型特定施設入居者生活介護
  • 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
  • 認知症対応型共同生活介護(グループホーム)

これらのサービスは、自治体が3年ごとに策定する介護保険事業計画の中で必要利用定員総数が定められており、計画値を超える指定は原則として認められません。

2-2. 特定施設入居者生活介護が特に注目される理由

なかでも特定施設入居者生活介護は、M&Aの観点から最も注目度の高いサービスです。

民間事業者が参入しやすい有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅でありながら、介護保険サービスを提供できることから収益性が高い一方、東京都をはじめ多くの自治体で総量規制が厳格に運用されています。施設の建設後に指定が受けられない事態を防ぐため、東京都などでは事前相談制度を設け、計画段階で指定の可否を通知する運用が行われています。

新規開設のハードルが非常に高いため、既存施設のM&Aが事実上の参入手段となっているのが現状です。


障害福祉サービスにおける総量規制の対象

3-1. 対象となる主なサービス

障害福祉分野では、近年、急速に総量規制が広がっています。対象となりやすいサービスは以下の通りです。

  • 生活介護
  • 就労継続支援A型
  • 就労継続支援B型
  • 児童発達支援
  • 放課後等デイサービス
  • 共同生活援助(グループホーム)

3-2. 全国的な総量規制の拡大状況

全国には都道府県と別に障害福祉サービスの指定権限を持つ政令指定都市20市・中核市62市の計82自治体があり、令和8年(2026年)3月時点で少なくとも21市が何らかの総量規制を実施しているとされています。事業所が集中する大都市圏を中心に規制が着実に進んでいます。

主な例として、

  • 就労継続支援B型:札幌市、京都市、大阪市(2026年8月〜)、奈良市などが新規指定を停止
  • 児童発達支援・放課後等デイサービス:札幌市、京都市、宮崎市などが公募制や事前審査制を導入
  • 就労継続支援A型:複数自治体で総量規制と指定審査の厳格化が進行

事業所数の急増と収支差率の高さを背景に、規制対象は今後さらに広がる可能性があります。

3-3. 2026年6月からの新規事業所への報酬減額

総量規制に加え、2026年6月以降に新規指定を受ける障害福祉サービス事業所(就労継続支援B型、児童発達支援、放課後等デイサービス、共同生活援助)については、基本報酬が応急的に引き下げられる臨時改定が実施されます。

サービス 新規指定事業所への減額幅
就労継続支援B型 約1.6%減
共同生活援助(包括型・日中サービス支援型) 約2.8%減
児童発達支援 約1.2%減
放課後等デイサービス 約1.8%減

既存事業所は従来どおりの基本報酬が維持されるため、新規参入と既存事業承継の経済的格差はさらに拡大します。これは、M&Aによる参入の優位性を一層高める制度変更といえます。


なぜ総量規制エリアではM&Aが有力な選択肢になるのか

4-1. 新規指定が受けられない地域での唯一の参入手段

総量規制が実施されている地域では、いくら資金や運営ノウハウがあっても、新たに事業所を立ち上げて指定を受けることはできません。一方、既存事業所をM&Aで承継すれば、指定権限を含めて事業を引き継ぐことが可能です。

特定施設入居者生活介護や、規制の進む大都市圏での就労継続支援B型・児童発達支援・放課後等デイサービスへの参入を目指す事業者にとって、M&Aは現実的な唯一の選択肢になりつつあります。

4-2. 立ち上げコスト・時間・人材確保の課題を一挙に解決

新規開設には、土地・建物の確保、内装工事、人員確保、利用者開拓、行政手続きなど、多大な時間とコストがかかります。M&Aを活用すれば、

  • 既存施設・設備の活用
  • 経験ある従業員の継続雇用
  • 既存利用者の引き継ぎ
  • 地域での信用・実績の承継

といったメリットを同時に得られます。介護人材の深刻な不足が続く中、人材ごと事業を引き継げる点はM&A最大の利点といえるでしょう。

4-3. 新規参入規制下での「希少性プレミアム」

総量規制が強い地域の既存事業所は、指定そのものに希少価値が生じます。これは買い手にとっては参入の決め手になる一方、売り手にとっても適正な企業価値評価に繋がる要素です。

後継者不在や経営者の高齢化で事業承継を検討している経営者にとって、規制エリアの事業所は通常より高い評価を受けやすく、従業員の雇用維持や利用者へのサービス継続の観点でも、M&Aは廃業より優れた選択肢となります。


総量規制エリアでのM&Aを進める際の実務的な留意点

5-1. 指定承継の手続きと自治体協議

M&Aのスキーム(株式譲渡・事業譲渡・合併等)によって、指定の取り扱いは異なります。

  • 株式譲渡:法人格が継続するため、原則として指定はそのまま維持される
  • 事業譲渡:指定は譲渡されないため、譲受側で新規指定の申請が必要となる場合がある

総量規制エリアで事業譲渡を選択した場合、新規指定が認められない可能性があるため、スキーム選定の段階から自治体と十分な事前協議を行う必要があります。

5-2. デューデリジェンスで確認すべきポイント

総量規制対象サービスのM&Aでは、通常のデューデリジェンスに加え、以下の点を慎重に確認することが重要です。

  • 指定の有効期限と更新状況
  • 過去の行政指導・監査の有無
  • 人員配置基準の充足状況
  • 加算取得状況と算定要件の維持可能性
  • 地域の介護保険事業計画・障害福祉計画の動向

5-3. 業界特化型M&A仲介の活用

総量規制や指定手続きは制度が複雑で、自治体ごとに運用も異なります。一般的なM&A仲介会社では対応が難しい領域であり、介護・障害福祉業界に特化した知見を持つ仲介サービスの選定が成否を左右します


カイポケM&Aが提供する総量規制エリアでの支援

カイポケM&Aは、介護事業者向け経営支援サービス「カイポケ」(導入事業所数60,800以上※2026年4月時点)を運営する株式会社エス・エム・エスが提供する、介護・障害福祉・医療に特化したM&A仲介サービスです。

カイポケM&Aの主な強み

  • 業界特化型のネットワーク:カイポケ導入事業所をはじめ、国内最大級の介護・障害福祉事業者ネットワークを活用
  • 制度・規制への深い理解:総量規制や指定手続きなど、業界特有の論点に精通したコンサルタントが対応
  • スピード成約の実績:最短15日(案件受託から最終合意締結まで)での成約実績
  • 明朗な料金体系:相手先選定まで原則無料、着手金・中間金なしの完全成果報酬型

総量規制対象エリアでの買収・売却をご検討の場合、専門知見を持つコンサルタントが、自治体協議からスキーム選定、クロージングまで一貫してサポートいたします。


まとめ

総量規制は、介護・障害福祉サービスの質と量の適正化を目的とした、自治体による新規指定の制限制度です。介護分野では特定施設入居者生活介護、障害福祉分野では就労継続支援B型・児童発達支援・放課後等デイサービス・生活介護などが代表的な対象であり、大都市圏を中心に規制エリアは拡大傾向にあります。

2026年6月からは新規指定事業所への報酬減額も始まり、新規開設の経営的ハードルはさらに高くなりました。こうした環境下で、既存事業所のM&Aによる参入・拡大は、現実的かつ合理的な経営戦略として位置づけられています。

総量規制エリアでの参入をご検討の買い手企業、また後継者不在や経営課題を抱える売り手企業のいずれにとっても、業界特化型M&A仲介の活用は重要な意思決定の一歩となるでしょう。


よくある質問(FAQ)

Q1. 総量規制は全国一律ですか?
A. いいえ。総量規制は自治体(都道府県・指定都市・中核市等)ごとに、計画の必要量との関係で実施の有無や対象サービスが決定されます。同じサービスでも自治体によって規制の有無や厳格さが異なります。

Q2. 株式譲渡なら必ず指定を維持できますか?
A. 法人格が継続するため原則として指定は維持されますが、変更届出や役員変更等の手続きは必要です。重大な変更があると自治体から指導を受ける場合もあるため、事前協議が推奨されます。

Q3. 総量規制対象事業所の売却価格は通常より高くなりますか?
A. 一般論として、新規参入が困難なエリアの既存事業所は希少性が評価される傾向にあります。ただし、収益性・人員体制・行政指導歴など複数要素で総合評価されるため、専門の仲介会社による査定をお勧めします。

Q4. 2026年6月以降に新規開設した事業所もM&Aの対象になりますか?
A. はい。ただし、新規指定事業所には報酬減額が適用されている点を考慮し、買収後の収益見通しを慎重に評価する必要があります。


【免責事項】本記事は2026年6月時点の公開情報をもとに作成しています。総量規制の実施状況、報酬改定、関連法令の内容は変更される可能性があります。実際の意思決定にあたっては、最新情報を所管自治体および専門家にご確認ください。

この記事の執筆者

この記事の執筆者

カイポケM&A編集部

株式会社エス・エム・エス

株式会社エス・エム・エスが運営する、介護・福祉・医療業界に特化したM&A仲介サービスの編集チーム。業界特有の法規制や経営課題を熟知した専門スタッフが、事業者様にとって有益な情報を分かりやすく発信しています。

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