2027年度(令和9年度)の介護報酬改定に向けて、各サービスの具体的な改定項目の方向性が明らかになってきました。
改定率や各サービスの単位数はまだ決まっていませんが、中山間・人口減少地域の「特定地域サービス」の創設や、有料老人ホームの「登録制」、登録制ホームの入居者向けケアマネジメントの新しい類型「登録施設介護(予防)支援」の導入は、法改正ですでに決まっています。
介護サービスは公定価格のため、報酬改定の内容は事業所の収入にそのまま反映されます。改定の方向性は、来年度以降の経営の見通しだけでなく、事業を譲渡する際の価格の前提にも関わります。
本記事では、10月末時点で決まっていることと、現在議論されている論点、今後のスケジュールなどを整理します。 あわせて、改定の方向性がM&A・事業売却の判断にどう関わるのか、改定前に整えておきたい準備とともに解説します。
※改定率や改定案が示された段階で、記事の内容を更新します。
この記事の要点
- 改定率は年末の予算編成の過程で決まり、単位数を含む改定案は2027年1月ごろに示される見通しです。特定地域サービスや有料老人ホームの登録制など、法改正による見直しはすでに決まっています。
- サービスごとの議論では、専門性の高いケアの評価をさらに強化する動きと、集合住宅向けサービスなどの提供・コストの実態を報酬に反映する動きが目立ちます。訪問介護では、同一建物減算に代えて基本報酬そのものを区分する案が出ています。
- 改定は、譲渡価格のもとになる営業利益の見通しに関わります。加算の算定根拠、人員配置の記録、事業所ごとの収支は、改定の内容にかかわらず整えておきたい準備です。
2027年度介護報酬改定の最新動向
2027年度(令和9年度)介護報酬改定は、2024年度に続く定期の改定です。
なお、2026年6月には処遇改善加算の拡充を中心とした臨時の改定(期中改定)が施行されています。臨時介護報酬改定とは、3年に1度行われる通常のスケジュールを待たずに特定の課題に対応するために例外的に実施される改定です。
2026年10月現在は、社会保障審議会・介護給付費分科会で年末の提言書(「審議報告」)のとりまとめに向け、限られた予算配分の中で 報酬のどの部分を手厚くし、どの要素を引き締めるのかといった観点から 、議論が進められています。
2027年度介護報酬改定の内容はいつ決まる?改定率・単位数・施行までのスケジュール
- 2026年10〜12月:サービスごとに具体的な方向性を議論
- 2026年12月中:報酬と運営基準等に関する「基本的な考え方」の取りまとめ
- 2026年12月下旬:政府の予算案編成にあわせて改定率決定
- 2027年1月頃:介護報酬改定案の諮問・答申
近年の介護報酬改定率の推移
これまでの介護報酬の改定率の推移は以下の通りです(原則3年ごとの定期改定および直近の期中改定)。
| 年度 | 改定率 | 主な特徴・背景、備考 |
|---|---|---|
| 2003年度(平成15年) | ▲2.30% | 初の改定。施設系を中心とした引き下げ |
| 2006年度(平成18年) | ▲2.40% | 2005年の居住費・食費自己負担化等を含む(改定単体は▲0.50%) |
| 2009年度(平成21年) | +3.00% | 初のプラス改定。介護従事者の人材確保・処遇改善 |
| 2012年度(平成24年) | +1.20% | 在宅や重度者向けサービス等へ重点配分 |
| 2015年度(平成27年) | ▲2.27% | 大幅なマイナス改定(基本報酬の抑制) |
| 2018年度(平成30年) | +0.54% | 自立支援・重度化防止、生産性向上など |
| 2021年度(令和3年) | +0.70% | 感染症・災害対応力の強化、地域包括ケアの推進 |
| 2024年度(令和6年) | +1.59% | 処遇改善分(+0.98%)を中心としたプラス改定 |
| 2026年度(令和8年・期中) | +2.03% | 人材確保に向けた処遇改善中心の臨時改定(基本報酬は据え置き) |
このほか、過去には消費税率引き上げ対応や特定の処遇改善を目的とした臨時・外枠の改定も行われています。
2027年度介護報酬改定の方向性と目的
厚生労働省が9月30日に同分科会に示した「基本的な視点(案)」では、2027年度から始まる第10期介護保険事業計画期間を「65歳以上人口がピークを迎える一方、介護と医療の複合ニーズを抱える85歳以上人口が増加する2040年を見据えた取組を本格化させていく時期」と位置付け、同年度の報酬改定で対応すべき課題とそれを解決するための方策を整理しています。
| テーマ | 主な方策 |
|---|---|
| ①物価・賃金の上昇等への対応と処遇改善 |
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| ②人口減少・サービス需要の変化に応じたサービス提供体制の構築 |
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| ③地域包括ケアシステムの深化 |
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| ④職場環境の改善と生産性の向上を通じたサービスの質の向上及び介護人材の確保 |
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| ⑤制度の安定性・持続可能性の確保 |
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2027年度以降の介護保険制度の主な変更点
すでに法改正などが行われており、2027年度以降、順次導入される新しい事業の運営ルールがあります。
主な内容をまとめます。
- 「特定地域サービス」の創設 :中山間・人口減少地域で、地域の実情に応じた柔軟なサービス提供を可能とする仕組み。2027年4月1日開始予定。
- 有料老人ホームの「登録制」導入 :要介護状態の人を入居させて介護等を提供する有料老人ホームを設置する際、都道府県知事の登録を受けることを義務付ける仕組み。登録は5年ごとの更新制。2027年12月開始予定。
- 「登録施設介護(予防)支援」の創設 :登録有料老人ホームの入居者を対象に、ケアプランの作成と地域生活の相談を一体で提供する、ケアマネジメントの新しいサービス類型。原則1割の利用者負担が生じる。
- 介護支援専門員証の更新制の廃止 :5年ごとに研修を受けて介護支援専門員証を更新する仕組みをなくす。ただし研修の受講は事業者の義務として残る。2027年12月1日施行予定。
- 夜間対応型訪問介護の廃止(定期巡回への統合) : 2027年4月1日施行、2029(令和11)年度末までは経過措置として従前どおりの事業継続を認める予定。
2027年度介護報酬改定に向けて現在議論されている内容(主要サービスごとの論点)
【通所介護・地域密着型通所介護(デイサービス)の方向性】
| 改定の切り口(論点) |
|---|
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| トピック | 厚労省の提案・施策の方向性 |
|---|---|
| 入浴のみの短時間利用 | 入浴だけを目的にした利用を、入浴介助のサービスがない中山間地域等では例外として認める |
| 入浴介助加算 |
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| 送迎減算 | 利用者宅へ迎えに行った後など、突発的なキャンセルを送迎減算から外す【適用緩和】 |
| 延長加算 | 12時間以上の区分(ニ・ホ)の廃止 |
| 共同送迎の推進 | 共同送迎について子どもの通園・通学や地域の買い物支援などとの同乗も認め、その扱いを明確にする |
| 中重度ケア体制加算 | 地域密着型通所介護の算定要件緩和 |
| 報酬体系の見直し | 「同一建物減算」に代え、移動コストやサービス提供の実態を反映した報酬区分にする【報酬区分の見直し】 |
【訪問介護の方向性】
| 改定の切り口(論点) |
|---|
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| トピック | 厚労省の提案・施策の方向性 |
|---|---|
| 特定事業所加算 | 地域の多様な主体と連携しながら、訪問介護員が自立支援・重度化防止に向けた専門性を発揮してサービス提供を行うための体制整備について評価する仕組みをつくる【要件等の見直し、新設】 |
| 定期巡回・随時対応型訪問介護看護との連携促進 | 地域の24時間対応体制の維持・確保を促進するため、外部の定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所と連携しながら日中のサービス提供を行う場合の評価【加算等の新設・拡充】 |
| 初回加算の拡充 |
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| 報酬体系の見直し |
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【居宅介護支援支援の方向性】
| 改定の切り口(論点) |
|---|
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| トピック | 厚労省の提案 |
|---|---|
| 特定事業所加算 |
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| 管理者要件の見直し | 管理者は主任ケアマネであること(経過措置は2027年3月31日まで)とする要件を撤廃し、5年の実務経験等をもつケアマネジャーとする【要件緩和】 |
| 更新制廃止・法定研修見直し |
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| 介護予防ケアマネジメント |
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| 障害福祉サービスとの調整 | 介護保険と障害福祉サービスを併せて使う利用者の調整業務を評価する【評価の新設】 |
【認知症グループホームの方向性】
| 改定の切り口(論点) |
|---|
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| トピック | 厚労省の提案 |
|---|---|
| 地域の拠点機能の評価 | 認知症の人が主体的に暮らし続けられるまちづくりに資する事業所の取組について、評価する【加算等の新設】 |
| 計画作成担当者の配置 | 人材確保が難しく、経営も厳しい1ユニットの事業所について、ケアの質の確保を前提に、事業所に1人置くこととされている計画作成担当者(介護支援専門員)の配置要件を見直す【要件緩和】 |
| 3ユニットの夜勤体制の人員配置 | 見守り機器等を活用して、状態把握と迅速な対応ができる体制を要件に、2ユニットが同一階で隣接し別の階の1ユニットと一体運営している場合や、同一階に隣接していない3ユニットの夜間を2人体制とすることを認める【要件緩和】 |
【訪問看護の方向性】
| 改定の切り口(論点) |
|---|
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| トピック | 厚労省の提案 |
|---|---|
| 診療報酬に合わせた運営基準の見直し(研修受講要件、残薬の確認) |
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| 早朝・夜間加算、深夜加算 | 夜間などの緊急対応をした際の月初回の訪問時に、「緊急時訪問看護加算」を算定している場合でも「早朝・夜間加算」及び「深夜加算」の併算定を算定可能とする【要件緩和・加算の拡充】 |
| ICT活用と医療連携の推進 |
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| 専門管理加算 | 専門管理加算の評価対象に認知症ケアを加える【要件緩和・加算の拡充】 |
| 理学療法士等による訪問看護の評価見直し | 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士による訪問について提供体制や実績に応じて評価を引き下げる |
| サテライト設置要件 | 1事業所あたりのサテライト設置数のばらつきを是正するため、国が自治体に対して具体的な要件を整理して示す。 |
| 看護体制強化加算 |
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| 特別管理加算Ⅱ、長時間訪問看護加算 | 対象に重症な難治性皮膚疾患の利用者を加える【加算の拡充】 |
| 同一建物減算等 | 住まいの形態に合わせたサービス提供の評価の仕組みを見直す |
個別の論点を見ると、2027年度介護報酬改定における2つの流れが読み取れます。1つは、医療ニーズの高い利用者や中重度者、看取り、認知症への対応など、専門性の高いケアをさらに評価する方向です。もう1つは、集合住宅に住む利用者へのサービスのように、提供の実態とコストを報酬により細かく反映させようとする動きです。
具体的な単位数は今後決まりますが、事業者には、自社の利用者像やサービス提供の形がこの流れの中でどう評価されるのか見直しておくことが求められます。
改定の方向性はM&A・事業売却にどう関わるか
介護報酬は、事業の収益構造や運営要件を直接定めるため、その改定は事業の継続や譲渡の判断、譲渡価格の前提にも関わります。
2027年度改定の改定率や各サービスの単位数はまだ決定していませんが、「何が評価され、何が見直されるのか」という方向性は見えてきています。ここでは、報酬改定がM&Aに関わる経路を整理したうえで、2027年度改定のポイントに触れます。
経営環境の激化と協働化・大規模化の推進
近年の介護報酬改定は「制度の持続可能性の確保」と「給付の適正化」が基本方針に組み込まれてきました。さらに人件費や物件費の高騰を受け、業界全体の収支差率は中長期でみると低下傾向にあります。経営への圧力が強まり、単独での経営に限界を感じた中小・小規模事業者が事業譲渡(売却)を選択する動きは、2027年度改定以降も続くと考えられます。
一方で、政府が事業所の統合・大規模化や集約化を推進していることも後押しとなり、規模の経済を活用して本部コスト削減や人材確保を図る大手・中堅企業による譲受(買収)も加速しています。
加算改定と制度への対応力の格差拡大
近年の改定では、加算の算定要件に事業所の体制や取り組みが結びつけられています。
2026年6月の臨時改定では、処遇改善加算の上乗せ区分の要件に、ケアプランデータ連携システムへの加入や生産性向上推進体制加算の取得などが加わりました。2027年度改定でも、地域のほかの事業者との連携を評価する加算の新設・見直しや、見守り機器の活用を前提にした人員配置の緩和が検討されています。
こうした要件に対応できる体制があるかどうかで、同じサービスでも得られる報酬に差が出ます。事業の価値を考えるうえでも、加算を取れる体制そのものが評価の対象になります。
譲渡価格(バリュエーション)と買収監査(デューデリジェンス)の変化
介護事業の譲渡価格は、時価純資産に営業権(のれん代)を加える「時価純資産プラス営業権法」で算定されることが多く、営業権は実質的な営業利益の2〜3年分が目安です。
*関連記事:【2026年最新】介護事業のM&Aの相場と売却価格の計算式、高値がつく条件を解説
改定によって報酬算定のルールが変われば、営業利益の見通しも変わります。
2027年度改定で影響が大きいと考えられる代表的なポイントが、集合住宅に住む利用者に対するサービスの扱いです。訪問介護や通所介護では現行の同一建物減算に代えて、移動コストやサービス提供の実態に応じて基本報酬そのものを区分する案が示されています。有料老人ホームに事業所を併設するモデルなどでは、報酬体系と具体的な単位数が示された段階で収支を試算し直す必要があります。
また、譲受企業がM&Aの最終契約を結ぶ前に譲渡企業に対して実施するデューデリジェンスでは、財務・法務・労務の状況に加え、指定基準の遵守状況、運営指導の履歴、加算の取得状況と算定要件の充足状況を確認します。改定をはさむ時期は、次の点もあわせて確認の対象になります。
- 算定している加算が見直しの対象になっていないか
- 義務化された要件に対応できているか
- 介護保険施設では、協力医療機関との連携体制について2027年3月31日で経過措置が終わる。
譲渡企業(売り手)が改定前に整えておきたいこと
介護報酬改定前後では収支の前提が変わるため、将来の経営リスクを見極めるには改定の詳細を待つのが確実です。
しかし、譲渡を選択肢として考えている段階から準備を整えておけば、改定内容が決まったタイミングで自社に及ぼす影響を素早く試算できます。
加算を算定している根拠を書類で示せるようにする
デューデリジェンスでは、加算の取得状況と算定要件を満たしているかどうかを確認します。要件を満たしていることを、記録や計画書で示せるかが問われます。
人員配置と勤務の記録を整える
人員要件を満たしていることを、勤務表や資格の記録で示せるようにしておきます。2027年度改定に向けても、一部サービスや条件によって、人員配置の緩和などが検討されています。今の配置を正確に把握していれば、基準が変わったときに必要な人数を見直しやすくなります。
月次の収支をサービス別・事業所別に把握する
譲渡価格の目安になる営業権は、実質的な営業利益をもとに算定します。サービスや事業所ごとの月次の収支を出せるようにしておくと、事業の実力を説明しやすくなります。例えば、訪問介護では移動コストやサービス提供の実態に応じて基本報酬を区分する案が検討されているところです。集合住宅と戸建ての利用者別に、提供回数や移動時間の内訳も記録しておくと、改定後の収支を試算するときの材料になります。
運営指導の履歴と、期限のある義務への対応を確認する
過去の運営指導で受けた指摘と、指摘に対する対応の記録もデューデリジェンスの確認項目です。
経過措置が終わる。期限のある義務に対応できているかを、改定前に点検しておきます。
「改定を待つ」か「今から将来の検討を始める」か
改定案で単位数が示されるまで判断を待つのに合理性があるのは、収益が特定の報酬区分や加算に大きく依存している場合です。たとえば集合住宅の利用者が中心の訪問介護のように、改定で収支の前提が変わる可能性がある事業は、改定案をもとに試算してから判断しても遅くありません。
一方、後継者が決まっていない、人材の確保に見通しが立たない、資金繰りに余裕がないといった課題は、改定の内容にかかわらず残ります。
*関連記事:介護事業の資金繰りが悪化したら?原因と対策、出口戦略まで解説
M&Aは検討を始めてから完了までに半年〜1年程度かかるため、改定案を待ってから動き出すと、検討の大半が改定後にずれ込みます。
「M&Aを実施すると決めてから相談する」のではなく、「検討を始めた段階で専門機関に相談する」ことで、選択肢は確実に広がります。
まとめ
- 2027年度介護報酬改定は、改定率が年末の予算編成の過程で決まり、各サービスの単位数を含む改定案は2027年1月ごろの諮問・答申で示される見通しである。現時点で確定しているのは、特定地域サービスの創設や有料老人ホームの登録制など、法改正による制度の見直しである
- 改定の方向性としては、専門性の高いケアの評価と、サービス提供の実態やコストを報酬に細かく反映することが示されている。訪問介護では同一建物減算に代えて基本報酬そのものを区分する案が出ており、集合住宅に事業所を併設するモデルは収支の前提を見直す必要がある
- 譲渡価格のもとになる営業権は、将来も続く利益に対して支払われる。報酬の前提が変わる局面では、加算の算定根拠、人員配置、事業所ごとの収支を示せるかどうかなどによって、譲受企業に事業の実力を伝えられるかを左右する
改定の中身がすべて決まるのを待ってから動こうとすると、検討に使える時間が限られます。M&Aは検討を始めてから完了までに半年〜1年程度かかります。一方、改定の具体的な内容が示されるのは年明けで、施行はその後です。いま把握しておきたいのは改定の細目そのものよりも、自社の事業がどのような人材や利用者基盤、地域とのつながりによって価値を持ち、それが譲受企業からどう見えるのかという点です。
※本記事は、改定率の決定や改定案の公表にあわせて更新します。