廃業
放課後等デイサービスを経営しているが、「最近経営状況の赤字が続く」「募集しているけど職員を採用できない」「他の事業に注力したい」等の理由から、廃業を考えている方もいらっしゃると思います。
ここでは、放課後等デイサービスの廃業や閉鎖を考えている方へ、廃業とM&A(事業譲渡・売却・買収)について説明します。
放課後等デイサービスは、2012年に創設されてから増加し続け、2019年3月時点で13,268事業所となっています。事業所の増加に伴い、利用する児童も増え続けています。これは今まで既存のサービスを利用していなかった児童や既存のサービスとマッチしていなかった児童が利用していることが要因として挙げられています。
【人材不足】
放課後等デイサービスの廃業になる原因として「人材不足」が挙げられます。障害福祉サービスの人材不足は、深刻な社会問題となっています。特に放課後等デイサービスでは、事業所数が増え、人材獲得の競争が激化し、「人件費の上昇」「採用コストの増加」などが事業所の経営の赤字に繋がっているようです。
【報酬改定による赤字】
もう1つの原因として、平成30年度の介護報酬の改定により加算の算定方法が大きく変わり、赤字経営となることが挙げられます。独立行政法人福祉医療機構の平成29年度の調査によると、放課後等デイサービスは全体の32.2%が赤字経営だと分かっています。
そして、平成30年度の制度改定により、サービスの提供時間によって獲得できる単位数が変更されました。改定以前はサービスの提供時間に関わらず一律の単位数であったため、改定後も同じようにサービスを提供している場合、間違いなく減収につながります。
さらに、新たに児童の介護の必要度合いに応じて区分がつけられるようになり、その区分に応じて単位数が変動するようになりました。これらの改定により、減算の対象になる事業所が増えました。
平成29年時点で放課後等デイサービス全体の32.2%が赤字経営だったため、平成30年の改定によりその割合はさらに高くなっていくことが予想されます。
上記の2つの原因から、「廃業」を考えている、「閉鎖」を余儀なくされている経営者の方へ「M&A(事業売却・事業譲渡」という選択肢をご紹介します。
M&Aとは、企業の合併及び買収のことです。事業の継続が難しいと感じている企業と事業を拡大したいと考える企業が、事業・企業の売買を行うことを指します。M&A(事業売却・事業譲渡)を進めることで、児童のサービス利用、従業員の雇用を守ることができ、廃業にあたっての手続きや費用を軽減することができます。
それでは、M&A(事業売却・事業譲渡)はどのように進めれば良いのでしょうか?ここでは、M&A(事業売却・事業譲渡)の流れを説明します。
ここでは、放課後等デイサービスを廃業や閉鎖する場合の手続きについて説明します。
廃業するまでの流れは以下のようになります。
廃業を決めた時には、従業員へ報告が必要になります。報告した上で、廃業する日まで働いてくれるのか?などを確認する必要があります。また、退職に伴い、賃金の支払いや社会保険・労働保険等の手続きや書類発行が必要になります。
放課後等デイサービスでは、廃業にあたり児童が別の代替サービスを利用できるように調整することが求められています。そのため、児童・ご家族の意向を確認して、近隣の障害福祉サービス事業所との調整を行う必要があります。
放課後等デイサービスを廃業する時には、所轄官庁に届出を提出する必要があります。廃業に関しては事前に連絡や相談を求められることがありますので注意しましょう。提出する届出書には、提出期限があり、廃止の年月日、廃業の理由、児童に対する措置を記載しなくてはいけません。
以上のように、放課後デイサービスの事業運営の難易度はますます高まっており、廃業や倒産する事業所も増加しております。倒産や廃業をさけるために、入念な準備をした上で放課後デイサービスの開業をすることが重要です。
放課後等デイサービス事業の開業には、半年から1年ほどの準備期間が必要です。そして、この開業準備期間に、法人設立や指定申請といった行政手続き、物件・備品等の手配、職員の採用などを行います。
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「人材の確保」をはじめとした様々な理由から廃業を考えている放課後等デイサービスの経営者の皆様へ、M&Aという選択肢についてご紹介しました。
M&Aには廃業や閉鎖にはないメリットがありますので、M&Aをご検討いただいた方は、ぜひ一度ご相談ください。
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