事業譲渡
ホームヘルパーの人材確保が難しく、運営ができない状況に追い込まれている訪問介護事業所が多くあります。国が進める「地域包括ケアシステム」の要でもある訪問介護事業所ですが、なぜ人材確保ができないのでしょうか?
この記事では、訪問介護事業所のM&A(事業売却・事業譲渡)について動向や一連の流れ、メリットなどを説明していますので、ぜひ最後までお読みください。
ここでは、訪問介護事業所の動向についてご紹介します。
訪問介護事業は、事務所としてのスペースなど設備の初期投資が少なく、管理者、サービス提供責任者、ホームヘルパーを含めて、常勤換算数で2.5人という少人数で開設できることから、独立・開業する方から選ばれやすい介護サービス種別となっています。
厚生労働省の2021年(令和3年)の介護サービス施設・事業所調査では、訪問介護の事業所数はは35,612事業所であり、ここ数年横ばいとなっています。
これは一定数の新規参入がある一方で、一定数の事業所が廃止・休止しているため事業所数が横ばいとなっています。
訪問介護は、利用者の自宅を訪問して1対1でサービスを提供します。そのため、介護の基礎知識等が身についていることが従事する条件として定められているため、一定の有資格者しか働けず、他の介護事業所のように無資格者の採用ができないことが挙げられます。
訪問介護の介護報酬は、介護サービスを提供している時間に応じて算定できるので、1回の訪問あたりのサービスの時間が短く移動時間が長くなると介護報酬の算定額が少なくなり、ホームヘルパーに対して支払われる給料の金額を増やせないため人材確保が困難な原因になっています。
上記の項目と重複しますが、訪問介護ではサービスの提供時間に合わせて給料の計算を行う登録ヘルパーという雇用体系があり、多くのホームヘルパーがこの雇用体系で働いています。そのため、正社員雇用を希望する方は、異動・転職することも多く、人材確保が困難になっています。
M&Aは、「Mergers(合併)and Acquisitions(買収)」の略です。
複数の会社が合併することや、会社の全部または一部の事業の買収を行うことを指しています。
経営についての課題や不安などから、積極的にM&Aを検討する会社は増えており、日本におけるM&Aの件数は年々増加傾向にあります。
ここでは訪問介護事業の事業譲渡・事業売却の流れについて説明します。
M&Aを専門に取り扱う業者は数多くあり、実績や会社の規模から信頼できる企業を選ぶことが重要です。M&Aの専門家・専門業者を選定したら、相談します。
資産等についての情報を整理して、希望条件をまとめます。
専門家・専門業者は、皆さんからの情報・希望条件をもとに買収企業を探して打診します。
売却企業と買収企業で面談を行い、基本的な条件や方向性を確認して合意を行います。
デューデリジェンスでは、買収企業が売却企業の企業価値を調査します。
売却企業と買収企業で売買の条件を調整して、合意します。
ご利用者、従業員などの関係者に、今後の予定を伝えて、同意を得ます。
売却企業と買収企業で最終契約を締結します。
売却企業の経営権が買収企業に移り、手続きが完了となります。
ここでは、訪問介護事業所のM&Aで評価されるポイントをご紹介します。
訪問介護事業所では、事務所を賃貸しているなど、設備面での資産が少ないことが挙げられます。しかし、車両を所有している場合や事務備品など評価の対象になる資産を整理することが重要です。
訪問介護事業所のM&Aにおいて、従業員や利用者の状況が評価の対象になることがあります。買収企業のメリットには、従業員の採用や育成に関するコスト、利用者獲得のための時間とコストをかけずに事業をスタートできる点があります。そのため、従業員や利用者の情報を整理しておくことが必要になるでしょう。
M&Aのメリットとして、従業員の雇用維持、利用者へのサービス提供の継続が挙げられます。今まで一緒に働いてきた従業員には、それぞれの生活がありますので、事業所の都合で雇用が継続できないことは、避けたいことだと思います。
また、利用者は介護を必要としている高齢者なので、他の代替サービスを調整できない場合に、在宅生活が難しくなるケースもあるでしょう。
このように、心残りになることを防ぐためにもM&Aという手段は有効です。
訪問介護の売却案件は、 『こちらの売却案件一覧ページ』 から検索することができます。
訪問介護事業の経営は厳しく、撤退や廃止を考えている企業が多くあります。しかし、展開しているサービスや事業によっては訪問介護事業所を手に入れることで、シナジー効果を得られる企業もあります。
そのような企業同士のニーズを結びつけるのがM&Aになります。もし事業の廃止をお考えの方は、ぜひM&Aについて弊社へお問い合わせください。
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