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経営悪化で赤字の老健(介護老人保健施設)を廃業・閉鎖・倒産する前に取るべき行動・手続き

老健(介護老人保健施設)を経営している皆様は、報酬改定や人材不足、新型コロナウイルス感染症のまん延による影響から運営を継続するのが難しいと感じて、閉鎖・廃業することを考えているのではないでしょうか?
この記事では、老健を閉鎖・廃業する前に経営者が取るべき行動と閉鎖・廃業までの流れについて説明しますので、ぜひご一読ください。

目次

「33.8%」の老健(介護老人保健施設)が赤字!

独立行政法人福祉医療機構の「2021年度(令和3年度)介護老人保健施設の経営状況について」の調査結果によると、赤字の老健の割合は『33.8%』となっています。
ここ数年は、「赤字の施設の割合が増加傾向」であり、「事業利益率が減少傾向」にあることから、「老健の経営状況が厳しい」と感じられている方は多いのではないでしょうか。

老健(介護老人保健施設)の経営が悪化し、赤字そして閉鎖・廃業に至る原因

それでは、老健(介護老人保健施設)の経営が悪化し、赤字となってしまい、そして閉鎖・廃業に至る原因について見ていきましょう。

従業員(看護職員・介護職員、その他の専門職等)の確保が困難

老健では、人員基準に定められる「医師」、「薬剤師」、「看護職員」、「介護職員」、「支援相談員」、「リハビリ専門職(理学療法士等)」、「栄養士」、「介護支援専門員」、「調理員や事務員」等の職種を、定員数や算定する加算に応じた人数で配置しなくてはなりません。
介護業界全体として人手不足が問題になっていることから、「必要な人数を配置することができない」、「辞めた従業員の補充ができない」といった状況に陥ってしまうことは多いようです。
人員基準で定められた人数を配置できないので、報酬が減算となったり、利用者を受け入れできなったりすることがあります。また、採用するために給与体系を変更して施設全体の人件費が高騰したり、高額な手数料の人材紹介サービスを利用したりして、赤字になってしまうこともあるようです。

利用者を確保できず赤字化

老健が赤字となる原因として、「入所者を確保できない」、「目標とする稼働率(入所利用率)を達成できない」ということも挙げられます。
独立行政法人福祉医療機構の『2021年度(令和3年度)介護老人保健施設の経営状況について』によると、老健の入所利用率は以下のようになっています。

 施設類型   平均定員数   平均利用率 
基本型 102.7人 88.8%
加算型 99.6人 88.6%
在宅強化型 98.7人 89.7%
超強化型 103.5人 89.1%
その他型 84.7人 88.1%
療養型 87.8人 91.9%

特に調査年度においては、新型コロナウイルス感染症の影響から、新規入所者の確保が困難になっていることから利用率が低い傾向となり、収入の減少が経営に大きく影響していると考えられます。

老健(介護老人保健施設)を閉鎖・廃止する際の手続き

老健を閉鎖・廃業するまでのおおまかな流れは以下のようになります。
※指定権者によって手続きや必要書類が異なりますので、実際に手続きを進める際は、施設の指定権者へ直接お問い合わせください。

  • 指定権者(都道府県等)への相談
  • 従業員へ報告
  • 入所者・家族への報告
  • 入所者の転居(移行)予定の調整
  • 指定権者への書類提出
  • 従業員の異動の調整
  • 施設廃止

1.指定権者(都道府県等)への相談

老健を閉鎖・廃止する時には、指定権者(都道府県等)へ廃業の届出(廃止・休止届出書)を提出しなくてはいけません。
廃業を考えている場合は、必要書類や廃止までにやらなくてはならないこと等を確認するために、まずは指定権者に相談しましょう。

2.従業員へ報告

廃止することが決まりましたら、従業員に、廃止すること、廃止までのスケジュール、廃止日までの業務内容等を伝えます。

3.入所者・家族への報告

廃止について入所者・ご家族へ連絡し、周知します。

4.入所者の転居(移行)予定の調整

入所者・ご家族の希望等を確認し、転居先等の確認、転居の支援を行います。

5.指定権者への書類提出

廃止にあたり、指定権者へ『廃止・休止届出書』や『入所者名簿』を定められた提出期限(廃止の日の1ヵ月前までが多い)までに提出します。
『廃止・休止届出書』には、廃止・休止の年月日、廃止・休止する理由、現にサービス又は支援を受けている者に対する措置を記載し、『入所者名簿』には、入所者の氏名、被保険者番号、住所、生年月日、移行予定先、移行確定先、移行年月日などを記載します。

6.従業員の異動の調整

廃止する老健以外に事業を行っている場合は、従業員の意向を確認し、異動等の調整を行います。廃止に合わせて退職を希望する従業員がいる場合には、退職に関する手続きを行います。

7.施設廃止

廃止予定日になり、事業の廃止、閉鎖となります。
直前までサービス提供を行っていた場合は、廃止日以降にも介護報酬・利用者負担金の請求業務や各種経費の精算等に関わる業務があります。

廃止・閉鎖・廃業ではなく、M&A(事業売却)という選択を!

介護老人保健施設の事業を継続することが難しく廃止・閉鎖・廃業を考えているようでしたら、法人や事業を売却(M&A)するという選択肢もあります。
M&Aでは、従業員にとって働き慣れた職場での雇用の継続や、入所者の施設での生活の継続、借入金等の財務面でメリットがあります。
M&Aについて興味をお持ちでしたら、ぜひ『カイポケM&A』にご相談ください。無料で売却適正価格の査定を行うことができます。

まとめ

新型コロナウイルス感染症のまん延、物価高騰、人材不足など経営環境の変化から介護老人保健施設を運営することが難しいと感じるタイミングはあると思います。
そのような時には、閉鎖・廃業だけでなく、M&Aという選択肢があることを記憶に留めていただけると幸いです。
M&Aは、皆様が立ち上げ、大切に運営してきた法人・施設を存続することができ、利用者の生活と従業員の雇用を守ることに繋がっています。
この記事をお読みいただいてM&Aに興味をお持ちいただいた方は、ぜひ『カイポケM&A』までお問い合わせください。

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